生い立ち
１９４７年生まれの４０歳？ オハイオ州ホームズ郡で生まれ育った。 この土地は人口の半分がアーミッシュ（昔ながらの生活を大切にするキリスト教集団）で、彼の家族はアーミッシュでは無かったが、その元となるメノー派に属していて敬虔な信者だった。 彼の父親は平日はオハイオ州政府の大型家畜獣医として働きアーミッシュの家畜の面倒をみていたが、自由時間には探鳥を楽しんでいてライファーは５００種、鳴き声だけで３５種のアメリカムシクイ科を聞き分けることができた。 このような父親に子供の頃から野山に連れて行ってもらったミラーは、高校生の頃には父親をも凌ぐ程に。 その後一家は違う教派カリスマ派に出会い、福音教会へ通うように。
大学は福音派リベラルアーツ大学であるオラル・ロバーツ大学の牧師過程へ。 その後コンピュータ・プログラミングを学び、福音教会で知り合ったエアロビクス講師と知り合い結婚、ワシントンＤＣへ引っ越す。
週末は福音教会の牧師、平日はソフトウェア技師として二足の草鞋を。 １７０ｃｍ、１００ｋｇの体型が災いしたのか１９９７年末離婚。
職業
メリーランド州ラズビーに引っ越し、カルバート・クリフス原子力発電所でソフトウェア技師
契約雇用 時給４５ドル
２年後に迫るＹ２Ｋのバグ潰しが仕事。
特徴
フルタイム働きながらの挑戦者であるにも関わらず、７００種越えは偉業。
収入も少なく長時間働いては金を作り、探鳥へ出かける自転車操業を繰り返す。
挑戦を始めたときでも、クレジットカード５枚で１万ドルの借金。 借り入れ可能残り６５００ドル。
小切手帳 ７０００ドル これはアラスカ旅行に消える。
ビッグイヤーの始まり
長時間労働で資金を稼いだあと、１９９８年も６週目になり、やっと彼のビッグイヤーが始まる。 それまでは、原発冷却池に集まる鳥を見るだけだった。
まずは、南アリゾナへ、エルニーニョの影響でものすごい寒さ。
旅の途中
２月 やっとビッグイヤーを開始。
パタゴニア湖州立公園 ウスノドヒタキモドキ コミトが１／１に見た鳥。
アリゾナ州スーペリアー ボイス・トンプソン樹木園 メキシココマツグミ
他に、ケアシスズメバト、ウタイマネシツグミ
４月ハイ・アイランド 春の渡り鳥のほとんどを見る。
５月アラスカ アッツ島
彼にとって初めてのそしてたった一度になるだろうアラスカの旅、おまけにライフリスト６２６の素敵な女性にも出会う。
ただ探鳥は過酷の一言。
６月
ミネソタ 探鳥ガイド デイブ・ジョンソンとクリスタル・スプリング バードヒメドリ
イエローストーン ベアトゥースパス ハギマシコ６００種
休暇も金もなくなり万事休す。この時点で、６１１種。
上司と談判し出来高勘定に変更してもらい、１０時間シフトを週４回に。 金は、親から５０００ドルを借り、なんとか続けることに。
７月
チリカウア山脈 ケイブクリークのサウスフォーク渓谷でアリゾナの卓越した探鳥ガイド スチュアート・ヒーリーとフクロウを探す。
サボテンフクロウ、ヒゲコノハズク、アメリカオオコノハズク、アメリカコノハズク
７／１３ アリゾナを去り仕事へ。 ミラー ６５８種 レヴァンティン６４８種 逆転。
８～９月
ノースカロライナ州アウターバンクス オレゴン海峡をでた大西洋の海は荒天でツアー中止となり、レヴァンティンと一緒になったが、彼の存在はまだ知らなかった。
ミラー ６６６種 レヴァンティン ６６８種
デビ・シアウォーターの遠洋ツアー
よほどコミトに恨みがあるようで、ミラーがビッグイヤー中だと知っていた彼女は、荒天でツアーが中止のときでも、自ら山を案内してくれた。
ツノウズラ、シロガシラキツツキ、キガシラアメリカムシクイ
ツアーで
クラベリーウミスズメ、オオトオゾクカモメ、アカアシミズナギドリ、アカハシネッタイチョウ ７００種目
１０月
ノースカロライナ州ケープ・ハッターラス ミス・ハッターラス号
三人が一堂に、コミト ７３６種、レヴァンティン ６９１種、ミラー ７０５種
レヴァンティンと、一緒に食事をしてノートを見せ合い意気投合し、共通の敵コミトを倒すため協力することに。
なお、親からの借金を３０００ドル追加。
まずは、コミトだけが見ていたヒマラヤセッケイを探しにネバダ州のルビー山脈へ。
ネバダ州エルコのエル・アエロのヘリをチャーター。
二人は生きた心地がしなかったが、ヒマラヤセッケイを無事見ることができた。
この後、ミラーがレヴァンティンをアイダホ州ボイシへ連れて行きヨーロッパヤマウズラを見せる。
この時点で、レヴァンティン ７０１種、ミラー ７０８種
その後、レヴァンティンはコロラドロッキー山頂にミラーを連れていきオジロライチョウを見せてくれ、この時点でレヴァンティンの三位が確定する。
レヴァンティン ７１０種、ミラー ７１４種
ビッグイヤーの終わり ７１５種目ハギマシコで終了
１３万９千ｋｍを飛び、５万８千ｋｍをドライブ。
合計 ３万１千ドルを使い、クレジットカードは限度まで、両親へは８０００ドルの借金をしたまま。
最後の日、アッツ島の後遺症で４０度の熱が一週間続き、ベットから起き上がれなかった。
その後
ミラーの父親は２０００年に他界、その半年後ミラー本人も白血病と診断される。 借金返済のため探鳥ガイドを始める。
映画との違い
映画では、父親が探鳥に最初興味がないように描かれていたが、事実は逆で心臓の悪い父親は息子の挑戦をとても喜んでいたようだ。 逆に母親が資金提供に難色を示したが、最後は余命短い夫の喜ぶ顔を見たくてお金を出すことに。
映画では素敵な彼女が現れて幸せそうだったが、実際はアッツ島で出会ったライフリスト６２６種の女性には振られてしまう。
ただ、故郷の近くで、父親とフクロウを見つけるシーンは本当のようだ。 鳥がトラフズクとカラフトフクロウの違いはあったにせよ。
映画でミラーがモデルのブラッド役のジャックブラックと並んだ写真をネットで見たが、確かに飛行機で横に並びたくないタイプかも。 まあ、人のことは言えないが。