きっかけとなる出来事が起きたのは1965年の5月、34歳の時。 育児と家事に疲れた彼女が気晴らしに広い敷地内を散歩していると、お隣の奥さんも同じように散歩をしていて、違ったのは彼女が双眼鏡とピーターソンフィールドガイドを持っていたこと。
 そう隣人は初めて会ったバーダーだった。 彼女は少しムシクイの話をし、フィールドガイドの挿絵を見せて、双眼鏡を貸してくれ頭上の樹を見るように指示をした。 そして、双眼鏡で一羽のキマユアメリカムシクイ(Blackburnian Warbler)を見つけた時、フィービの人生が一変する。
 それから、毎日のように近所で鳥を探す日々が始まることに。
 裏庭を通って北へ渡るシロオビアメリカムシクイ(the magnolia warbler)、ノドグロミドリアメリカムシクイ(Black‐throated Green Warbler)、キンバネアメリカムシクイ(Golden-winged Warbler)、ホオアカアメリカムシクイ(Cape May Warbler)
 近くの沼地のオオアオサギ(Great Blue Heron)、アメリカサンカノゴイ(American Bittern)、ヒメハジロ(Bufflehead)  樹の上のアメリカワシミミズク(Great Horned Owl)の巣、初心者にとっていつまでも思い出にのこる、魔法のような初のシーズンがやってきたのだ。